駄犬は異邦人6
2008.06.14(22:12)
こんばんは、皆様。管理人です。サンデー拝読しました。携帯予告も見ました。あとは、殺りんファンとしては祈るだけです。犬夜叉一行様も幸せになれたらいいなぁ…と、思っています。
そして、拍手有り難う御座います。コメントも有り難う御座いました。
遅れましたが、前の続きです。王子はあんまりというか、ほぼ出てきてません。りんたんの家族ネタになってしまいました。
けれども彼女の立ち直りは早かった。というか、友達のお迎えの時間がまさに迫っていたのだ。
きっかり三分後、駄犬の首根っこ捕まえて、りんは雪崩のように降りてくる。無論服は装着済みで、コートまで着込んだ重装備。対する次兄は、未だにバスタオル一枚だけ。すかさずりんが、サイテーと思ったのは、云うまでもない。
「せ…じゃなくて、シロちゃんに筋トレするなって、云ったでしょう!!! 大体、何処の世界に小型犬鍛える人間がいるのよ」
「シロは雄だろう。筋トレは男のロマンだ。どうだりん、兄貴は格好いいだろう」
相変わらずの兄の言葉に、やっぱり頭の中は納豆かヨーグルトで出来ている思うりんである。発酵どころか、腐り果てて壊死してしまったのかもしれない。
「それは自分の彼女だけに云ってね」
途端二番目の兄はものすごく悲しそうな顔をするが、構う妹ではない。
大概の事は大目に見ても、こういう露出やら訳の分からない自負だけは止めて欲しい。他人なら当たり前、家族間であっても当たり前。
(っていうか、以ての外…かも)
鈴原家の次男は、筋トレマニア。いや、オタクだろう。マッチョとイケメンとを履き違えている困ったさん。
高校時代の学祭の仮装行列だって、りんはどうにかして貰いたかった。
番長とかいうのは、まだいい。今時珍しい素足に下駄も許そう。長ランだってそり込みだってリーゼントだって気にしない。
けれども、半裸というのは見たくなかった。目を瞑る事が出来ない。ずっと学ランを着てるならば、まだ露出が限定なのでマシだが―――奴は脱いだ。隣接する中学の前も行列コースだった為、時間帯が放課後というのもあったのだろう。
毎年の事ながら、隣の学祭は良くも悪くも大注目されるもの。田舎過ぎて他に娯楽がないというのもあるが、手短にいる憧れの対象という役割が大きい。
中学生からしてみれば、高校生という肩書きだけでもう大人と同意義。しかも、悪い意味でエスカレーター製なので、小学校の頃から誰が誰の姉弟なのか、名字割れしてしまっていた。
マッチョポーズを決めて兄が半裸で歩いた時、彼女は思春期真っ盛り。身内だというのが恥ずかしくて、消えてしまたいほど嫌だった。
見た瞬間、制服(セーラー)の名札を引きちぎってしまいたい、衝動にかられたものだ。ソレ番長じゃねーだろうとも、ど突き倒したかった。
「どうせ鉄アレーでも背負わせて、強引に何かさせたんじゃないの?」
何しろ兄には前科がある。同じ事を夏休みにもやらかしていた。あの時も散々注意して、もう二度としないように云ったはずなのに……これ。
信じられない。犬に筋トレさせて、何が楽しいのか。我が兄ながら、変態だと彼女は感じ入る。
しかもりんは後日、人間姿の王子の愚痴を聞かされ、散々な目にあったのだ。
女性誌に掲載された男性タレントやらスポーツ選手やらのセクシーショットを目指しているならばまだ可愛い。だが、人に『それ』を直視させようとするのは以ての外だ。
(つーか、ポーズのまねっこしたいが為に地元で女性誌まで買っちゃうのは、アウト……どころか、むしろ嫌)
お陰で、名字バレ顔バレ兄バレしている文具屋さんに行きづらくてたまらない。男性に対する彼女の潔癖さは、この兄の影響が大きいだろう。
(お兄ちゃんの彼女さんってエライよなー。マジで……尊敬に値するよ)
まだ見ぬ相手を思い、りんはそんなことを考えた。